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分析 / 学問

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データサイエンスが応用されている分野を横断的に学べるシリーズの第3巻です。

今回の特集は「統計的因果推論」です。

まず「因果」という言葉ですが、
国語辞典的な理解では、因果応報や因果律など、
”原因”と”結果”から1文字ずつ取っているように、
因果とは、原因と結果のつながりを表現した言葉です。

統計的因果推論での「因果」は、現在の条件は変わらないと仮定した上で、
データにフィットした直線などを引き、将来を予測することです。

この場合、この「因果関係」と「相関関係」の違いは大きく問題にはなりません。

しかし、仮に、「介入」という、条件を変えた際の影響を考えるときには、
因果関係と相関関係には違いが出てきます。

”因果と相関は違う” 

たるゆえんです。

本書は、各章ごとに完結するように書かれており、
興味のあるところから読むことができます。

また、各章ではそれぞれの著者が重点をおいて解説しているポイントがあり、
通読することで、統計的因果推論を俯瞰することもできます。

例えば、第1章、第2章では、初心者のための基礎的内容が説明されています。
因果の方向」「交絡」「介入」といった重要概念が理解できます。
その後、第1章では「層別化」や「重回帰」などが紹介され、
第2章では、「バックドア基準」という因果ダイアグラムの読み方が示されます。

続く第3章、第4章では、操作変数法回帰分断デザイン中断時系列デザイン
差の差分析など、より高度な内容が簡潔にまとめられています。
また、応用範囲の広い傾向スコア法や操作変数法やその周辺の話題も
体系的に解説されています。

次の第5・6・7章は応用事例の紹介で、
第5章は、第4章とのセットで、CMの効果というビジネスに直結した話題を扱っています。
第6章では、野球のバント戦術の有効性について
傾向スコアを用いた解析例が挙げられています。
第7章では、保育所の設置と女性の就業の因果関係について、
差の差法と重回帰分析による解析が示されています。

このように、基礎からビジネス・社会への身近な応用まで学べる1冊です。

本書の構成は以下の通りです。

特集「因果推論ー実世界のデータから因果を読む」
立森久照・林岳彦・伊庭幸人・星野崇宏

<基礎>
第1章 因果推論ことはじめ 立森久照

因果には向きがある
因果と相関を見誤ると何が起こるか?
データのまとめ方によって結果が異なる
因果関係・因果効果・反実仮想
交絡
RCTで交絡に対処する
観察研究による因果推論
層別解析
層別解析の例
回帰モデルの利用
回帰モデルの利用の例
その他の因果推論の方法
 
コラム:時系列の因果と相関 伊庭幸人
 
第2章 相関と因果と丸と矢印のはなし―はじめてのバックドア規準 
林岳彦・黒木学 
 
1、まずは「因果関係」の定義から
2、相関≠因果となるパターンのイメージをつかもう
3、回帰分析の枠組みで復習ー回帰係数と介入効果の値が「ズレる」とき
4、着地への準備ーマジで「バックドア基準」の5秒前
5、いざ、「バックドア基準」に着地する
6、着地のあとにーもっと学びたい方へのガイド
 
第3章 準実験のデザイン―観察データからいかに因果関係を導き出すか 
津川友介
 
1、操作変数法
2、回帰分断デザイン
3、中断時系列デザイン
4、差の差分析
 
第4章 統計的因果効果の基礎―特に傾向スコアと操作変数を用いて
星野崇宏  
 
1、反実仮想ー後悔先に立たず、そして後を断たず
2、潜在的結果変数とルービン因果モデル
後悔や施策の効果を評価する枠組み
3、因果推論の根本問題と集団としての因果効果
4、調査観察データからの因果効果推定の仮定
5、因果効果の推定法
6、共変量の選択問題
7、操作変数法
付録1:RCTで本当に因果効果を推定できるか?
付録2:Mバイアスについて

<事例> 
第5章 因果効果推定の応用―CM接触の因果効果と調整効果 
加藤諒・星野崇宏 

1、調整効果と一般的な周辺パラメトリックモデル
2、データの紹介と単純な平均値差の解析の問題点
3、セレクションバイアス
4、平均処置効果ATEの推定
5、処置群における平均処置効果ATTの推定
6、調整効果を利用した再解析 
 
第6章 傾向スコアを用いたバント効果の推定
ノーアウト1塁のバントは得点確率を有意に高めるか!?
中村知繁・南美穂子 
 
1、バント作戦の有効性を示すために行うこと
(1), バント作戦が無作為化比較対照実験と見なせる場合の因果効果
(2), 割り付けが共変量に影響される場合
(3), バント作戦の得点確率に対する因果効果の推定
コラム:データの解析で使用した共変量のリスト
  (4), 解析結果のまとめ
2、まとめ
 
第7章 差の差法で検証する「保育所整備」の効果ー社会科学における因果推論の応用 
山口慎太郎
 
1、差の差法とは何か
2、保育所整備は女性の就業を増やしたか
3、差の差法を適用する上での注意点
4、差の差法の拡張ー三重差分法
5、おわりに
 
コラム:モンテカルロ法と傾向スコア 伊庭幸人
コラム:グラフ表現超速習…無向グラフと有向グラフのまとめ 伊庭幸人
 
<連載> 
第8章 正定値行列の情報幾何② 小原敦美・土谷 隆 
 
1、ガウシアングラフィカルモデル
2、ガウシアングラフィカルモデルの最尤推定と凸最適化
3、ガウシアングラフィカルモデルの情報幾何
4、結語
 
第9章 確率と論理を融合した確率モデリングへの道3(最終回)
佐藤泰介 
 
1、論理に基づく確率モデリング
2、分布意味論
3、PRISMのモデル例と確率計算
4、パラメター学習
5、ベイズ推論
6、発展的話題
生成的CRF
無限計算
7、おわりに

<その他・小説> 
第10章 計算機で作る面白いナンプレ③ とん 
 
第11章 掌編小説《海に溺れて》③確信 円城塔

<次巻予告>
次巻は、特集「地理情報処理」2016-10刊行予定
 
となっています。

因果推論には、いくつかの流儀があり、
  • 第2章では、Pearlの流儀
  • 第4章では、Rubinによる定式化
  • 第7章では、計量経済学による因果推論の典型例
となっています。

このように、本書は、統計的因果推論の基礎から応用を、各流儀を踏まえながら学べ、
他の因果推論の参考図書に進む前に、1度目を通すと、その後の学びが加速する1冊です。

岩波データサイエンス Vol.3



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