忙しいあなたの代わりに、史上最強の「良い本・良い暮らし」のご提案

1冊の本に出会うことで、人生が大きく変わることがあります。良い品物に出会ったことで幸せになれることもあります。とはいっても、多様な商品があふれる中で、より価値の高いものを選び出すのは大変です。そこでこのブログでは、忙しいあなたの代わりに、史上最強の「良い本・良いくらし」の提案をさせていただきます。

ビジネス / IT関係

スポンサードリンク
 

このところ、猫も杓子も「人工知能(AI)」な感じの世の中ですが、 

いよいよ、私達の生活にも様々な側面から関係してきています。

例えば、自動運転車。

世界中のIT企業や自動車メーカーがしのぎを削っています。

日本では、2020年の東京オリンピックまでに、という目標のもとに
開発が進められています。


他にも、 東大入試合格を目指す「東ロボくん」

2014年の段階では、全国私立大学の8割に合格A判定(80%)で、
2015年には、偏差値60を記録し、国公立大学の合格レベルになってきました。


銀行の窓口など、ある程度定型的な会話をする場合には、
すでに人工知能による応答システムが導入されています。

また、挙げればキリがありませんが、人工知能を使うことで、
新しいビジネスチャンスも多数生まれています。




  • 「人間とロボット、どっちが賢いのか?」

 という問題がよく議論されるようになりました。

現在は特定の狭い分野以外は、間違いなく、人間が賢いわけですが、
将来は、人工知能が進歩して、人間をあらゆる面で上回る、と予想されています。

人工知能が人間を超えるのは、2045年ごろだと予想されていて、

それはシンギュラリティ(技術的特異点)と呼ばれています。

しかしこれはあくまで予想でしかなく、
  • 実際のところ現状はどうなのか?
が気になります。

本書は、
  • 人工知能開発の国内外での現状と課題
  • シンギュラリティを起こしうる技術開発
について概観できる1冊です。

本書の構成は以下の通りです。

1章 人工知能とはなにか SF映画にみるキーワード

2章 人工知能ブームの行方 ディープラーニングの成功と限界
マッカーシーと第1次人工知能ブーム
日本が主導した第2次人工知能ブーム
ニューラルネットワークの進化
第3次人工知能ブームの要因
画像認識コンペで圧勝
人間の脳との違い
教師付き学習と教師なし学習
今後のカギはマスターアルゴリズム

3章 トップランナーは誰か 激烈!世界の人工知能開発競争最前線
グーグルの全世界データ収集
ディープマインドと天才ハサビスの衝撃
本腰を入れ始めたIBM
フェイスブックとマイクロソフト
バイドゥー(百度)
ジェフ・ホーキンスのヌメンタ
日本発の汎用人工知能をめざす全脳アーキテクチャ勉強会
期待の人工知能プロセッサNSPU
など

4章 シンギュラリティがやってくる 人工知能が全人類の能力を超える日
シンギュラリティとは
グッドの「知能爆発」とヴィンジの論文
2029年までにおきること
2045年に訪れるシンギュラリティ
シンギュラリティ後の世界
シンギュラリティの意義
超知能が格差を拡大
など

5章 見えてきた超知能のカタチ 現実的な最短ルートとは
機械を発展させるか、人間を増強するか
人間の非合理性は機械超知能を受けつけない
汎用人工知能でなければ意味がない
人工知能に意識は必要か
もう可能性は見えている
など

6章 人工知能が21世紀の勝者を決める 日本再起のラストチャンス
超知能は21世紀の産業革命
明の失敗に学ぶ
日本を救った”志士”たち
生産性向上で大逆転
2番手では意味がない
切り札はNSPU
立ち上がれ”現代の志士”たち
スカンクワークス型の15年プロジェクト

7章 ものづくり大国・日本だからできる
特別対談=ペジーコンピューティングCEO 齊藤元章さん

東大病院の医師から起業家へ
シリコンバレーでの成功
たった7ヶ月で世界最高峰のスパコンを完成
スパコンを変える新発想の液浸冷却技術
小脳機能を搭載したロボットスーツ
全人類の脳に匹敵する能力を6リットルに収容
スパコン開発を支えたものづくり大国・日本の底力
スカンクワークス型チームで世界に挑む

となっています。
  • 人工知能開発は、単なるテクノロジーではない
  • 日本の未来を決する重要なカギとなる技術
  • 世界に先駆けて、開発することで、社会に役立てる必要がある
と筆者は説いています。

私もまさにその通りだと思います。

本ブログでは、良書を紹介して、少しでも役立てたらいいなと思っています。

特に印象に残ったのは、第7章の「特別対談=ペジーコンピューティングCEO 齊藤元章さん
の部分で、以下引用になりますが、

松田:齊藤さんの挑戦は、私たち日本人に勇気を与えてくれると思っています。
 今日の日本の停滞状況を覆すには、まず気概が必要ですが、みんな気概がなさすぎます。

齊藤:日本胃は数多くの優位性があります。
 私は長くアメリカにいて外から日本を見てきたので、それがわかったのですが、
 ずっと日本にいると、日本のよさがなかなか自覚できないのかもしれません。
 それが自信のなさにつながっているのではないでしょうか。

松田:日本のよさとは具体的になんですか?

齊藤:
たとえば、今回、最初のスーパーコンピュータが7ヶ月、2代目は4ヶ月で完成できました。
 もちろん私たちが努力した部分もありますが、ものづくりを担ってくれた協力企業や外注企業の仕事のクオリティの高郷、人間としての素晴らしさに助けられたことも大きいです。
 彼らの取り組み姿勢は本当に特筆すべきものです。
 もしシリコンバレーでやっていたら、おそらく3倍の時間、2年半くらいかかったと思います。
 7ヶ月でできたのは、私たちが世界をめざして遮二無二やっている姿を見て、ものづくり企業の方々が、私たちを応援しようと思ってくれたこと、私たちと一緒に徹夜もいとわずに超短納期の要請に対応してくれたことの結果です。

松田:シンギュラリティをおこすような技術開発は、ものづくり力の高い日本でこそできる、ということですね。

齊藤:ええ、これは海外では絶対できません。海外のビジネスライクなやり方だと、たとえ動いてくれたとしても、職人的なプライドやこだわりをきたいできません。
 日本の中小企業の人たちは、超短納期であっても品質には絶対に妥協せず、それどころか、私たちの期待をはるかに上回る品質のものをつくってくれました。
 これだけクオリティの高い仕事を短期間で、妥当なコストでやってくれる国は、日本しかありません。
 しかも、ただこちらが言ったことをやるだけでなくて、率先して向こうから提案してくれます。
 このような関係性で技術開発とものづくりを遂行できるのは、日本以外には考えれません。
 残念ながら、最終製品としての半導体の最先端製造プロセスは国内からなくなってしまいましたが、それを支える周辺技術では、日本はまだ世界の最先端にあります。
 汎用人工知能や次世代スパコン開発になくてはならない要素技術は国内にあるのです。というか、日本にしかありません。海外では探せないのです。
21世紀の鍵となる人工知能技術を、日本で世界に先駆けて作るんだ
という気概が伝わる1冊です。


人工知能関連の世の中の変化については、これらの記事もどうぞ
スポンサードリンク
 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コメント

コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット

トラックバック

↑このページのトップヘ